【京都】ミックススタイルでリビングをリフォーム
京都市に暮らすご夫婦のリビングダイニングのインテリアリノベーションです。
15年ほど前にご自宅を改築されましたが、インテリアについてはゆっくり考えられなかったということで今回ご相談をいただきました。
目次
【BEFORE】濃い色の梁がアクセントの、落ち着いたリビング
お客様とのはじめての打ち合わせは驚きから始まりました。
お客様はこのお家を建てられるとき大工さんに、「重厚・簡素・気品」というイメージワードを提示されたそうです。
私もインテリアを提案するときに、イメージワードを設定することが多く、それらを通してお客様とイメージを共有できると感じています。
最初にそんなお話を伺い、不思議なご縁を感じました。
わたしがご提示いただいたキーワードは…
今回のご依頼では一からインテリアをつくりなおしたい、ということで、家具、ファブリック、壁紙などトータルにご提案させていただきました。
わたしがご提示いただいたキーワードは、やわらかさ。
お家がもつ重厚な雰囲気を残したまま、インテリアで柔らかさを加えてほしい、というのがお二人のご要望でした。
実際お二人と話をしていて、知的でいてとてもフレンドリーなご主人様と、とってもおしゃれで、かわいらしい(歳上なのにすみません!)奥様の女性らしさ、柔らかさを加えたら、お部屋がもっといきいきとしてくるんじゃないかと感じていました。
【AFTER】出発点となったのは、ウィリアム・モリスの壁紙
今回のお部屋づくりで、出発点としたのがウィリアム・モリスの壁紙を取り入れることでした。
モリスは海外のインテリアでもブームが再燃していますが、今回のような和やモダンな家具にもしっくりと馴染んでくれるとご提案しました。
柄については最後まで迷いましたが、モリスの世界観をダイニングのメインにするという出発点ができたことで、お客様にとっても足がかりになったのではないかと感じています。
そしてこの壁、実は食器棚の裏側になっています。もともと同じ位置に食器棚があり、配置は継承したまま使い勝手のいい造作家具にかえました。
そしてこの食器棚にはさらなる秘密が!地震による転倒を防ぐため、左側に壁のようなうすい棚をつくり、そこへしっかりと固定しました。
実際計画中に大阪府北部の地震があり、改めて対策の必要性を実感しました。
白い棚の裏側も、床から天井までの収納になっており、使い勝手は抜群です。たくさんの収納がうらやましい!造作家具なら、お部屋のニーズにあわせたぴったりの家具をつくることができます。
【AFTER】モダンな家具に、エレガントなアクセントをくわえて…
リビングはこんな感じです。空間そのものが持つ個性と窓からみえるすばらしい和風庭園にあうよう、シックでモダンな家具を、細部に華やかさをあわせもつ上質なアイテムでアクセントをくわえています。
ソファはArflexのA.SOFAです。日本人の体にあった国産のものを選ぶことで、見た目だけではない居心地の良さが得られました。
またモリス以外の壁紙も、ベージュの光沢感のあるクロスに張り替えました。写真では伝わりにくいのですが、これがあることで全体がとても品よく、柔らかい雰囲気になりました。
輸入ファブリックがかなえる、ハイレベルなインテリア
DECO-TEではいつもカーテン選びを重要視しています。お部屋の正面で面積も大きいので、全体の雰囲気を左右する部分になるからです。
扇の織柄がはいったBell Epochという名のファブリックに、モダンなタッセルを。タッセルがモダンとエレガント、オリエンタルな雰囲気をうまくまとめてくれています。
お客様が特に気に入ってくださったのが、レースのカーテンです。
透過性のあるものとないもの、さらに金の糸が入った3色のストライプで、一日の光の移り変わりで表情がまったく変わります。カーテン、レース共、Christian Fischbacherの商品です。
手前にあわせたのは、カーテンと同生地で色違いのクッション、そしてカーテンに色をあわせたベルベット地のクッションです。
色や柄が多彩に選べ遊べるのも、輸入ファブリックの大きな魅力です。
シルク100%のラグは光沢感があり色が美しく映え、かつ密度が高いため非常に踏みごたえがよいことから選んだ商品です。
人の動きが毛の流れを変え、柄のように浮かび上がります。人の動きがデザインをかえる、というところが非常に有機的で、お客様と一緒に感心、感動してしまいました。
最後にくわえたスパイスが、お客様らしいお部屋にしてくれました
DECO-TEではアンティークを取り入れることも多く、お客様からもご要望をいただくのですが、一点物で実物を見ていただけないことも多いので、ご提案には慎重になります。
今回もコンソールテーブルなど、いくつかご提案させていただきましたが、サイズ、要望、デザインすべてをかなえるものがぴたりと見つからず、すべて現代の家具で揃えていました。ダイニングの照明もご提案当初からいくつかご案内させていただきましたが、住んでみてから再考したい、ということで残っていた部分でもありました。
最終的にお選び頂いたのが、写真のアンティークシャンデリア。
お部屋ができあがり、あらためて提案し直してほしいといっていただけたおかげで出会えた商品です。
ごてごてしすぎないシンプルなデザインでも存在感抜群なのが、アンティークの魅力です。全体にところどころ効かせたゴールドをうまく拾ってくれて、とても素敵なダイニングになったと自負しております。
昼間でも美しいシャンデリアを、奥様もとても喜んで気に入ってくださり、まさに最後にくわえた一匙で味がきまった!というような瞬間でした。
というわけで…
まだまだお伝えしたことがあるほど、今回も密度の濃い7ヶ月間でした。
お客様に信頼していただき、自由に、でも要所要所でご要望を的確に伝えていただいたおかげで、まさに一緒につくりあげ、完成できたお部屋であると思っています。
お客様と一緒にショールームに行き、一緒に感動し、一緒に悩んだ日々が、こうして形になり、そこで今も時を過ごされていることがしみじみと嬉しく感じられる仕事でした。
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