【京都】ゆったりとした時間を愉しむ、和室にあう家具のセレクト
京都市のご夫婦から、和室にあう家具の提案をご依頼いただきました。
お客様は以前、ROOM no.46 落ち着きと華やかさをあわせもつ、京都のエクレクティックスタイルでコーディネートさせていただいた方で、今回は別のお部屋をご相談いただきました。再依頼や大切なお知り合いの方をご紹介いただくのはこの上ない喜びであると同時に、期待を裏切らないよう一層身が引き締まります。
目次
素晴らしい日本庭園をもつ、歴史のある和室
今回ご依頼いただいたのは、和室にあう家具のご提案です。
以前お邪魔させていただいた時には積極的に使ってらっしゃらなかった和室を、手間と時間をかけてきれいな状態でよみがえらせたそうです。せっかくの和室だからと、できるだけ元の状態を残した復元ともいうべき丁寧な補修でした。
最初のメールでいただいた言葉が、最後まで指針となりました
前回も素敵なキーワードをご提示いただき感動しましたが、今回最初にいただいたメールにも大変印象深い言葉がありました。
ご家族全員が気に入っておられる大切な和室、そこに「新たな息吹としてのインテリアが立ち現れることを、楽しみにしています」と。
正直…、ものすごいプレッシャーでした!
というのも、とにかく素晴らしい和室なんです。
繊細な書院の建具も、庭園をパノラマで見渡せるような絶妙な配置も、今はもうつくることのできないゆらゆらガラスなど、まだまだいい足りないほどです。
なによりも重視したのは、パーフェクトであること
これだけ美しい和室に、一体全体どんな家具を持ってくればいいのか。
デザインの美しさ、もちろん座り心地、重心の低い和室にもあうサイズ感、今の椅子式の生活様式にあうスタイル、上質で長く使える素材。
ひとつも外せない、という想いでした。
そしてたどり着いたのが…
思考錯誤のなかたどり着いたのが、北欧の家具。
北欧の家具は日本と同じ様に良質な木材に恵まれ、木の使い方、魅せ方を常に考えデザインされてきた家具です。さらに名作といわれ今なお愛されている家具は、人間工学的に身体の動きをとことん研究して作られてきたデザインです。
今回ご提案するのはこれより他にないと思われました。
北欧家具と決まってから、お客様とショールームへ行きさまざまな椅子に座っていただきました。最初に決まったのがむかって右側のコロニアルチェア、1959年にオーレ・ヴァンシャーによってデザインされた椅子です。軽くて、後ろ姿まで美しくて、なにより適度な厚みのクッションで気持ちよく座れます。
そして左側の2脚はフィン・ユールがデザインしたペリカンチェア。翼をひろげたようなデザインから名付けられた個性的なデザインですが、この形も人の身体に沿ってくれる絶妙な曲線からできています。
全体をまとめてくれたのは、色あざやかなキリム
写真で見るとアイテム数は少なく見えますが、ここへたどり着くのには時間がかかりました。選択を難しくしたのは、キリムラグを取り入れたこと。
キリムは遊牧民たちが自然塗料で染めた良質な羊毛を使って織る、手織りのラグです。柄ひとつひとつに意味があり、さらに同じ柄でも織り手によってまったく違った表情をみせます。
家具を含めてご案内したのは、大阪のROGOBA(ロゴバ)さん。北欧の名作の家具とキリムを独自のセレクトで揃えておられるインテリアショップです。
今回3脚の椅子をまとめてくれ、かつ畳ともつなげてくれるキリムをぜひとも取り入れていただきたく、キリムの色、柄、ペリカンチェアの張り地と無限の組み合わせを延々と悩みました。
あたらしい家具が運んできてくれた、あたらしい過ごし方
去年の夏にご相談いただき、年末になんとかお渡しできました。
あたらしい家具は、親子3世代に渡って愛されてきた和室にすっと馴染んで、和室の美しさを引き立て、ご家族にあたらしい時間をもたらしてくれているそうです。
よかった。お客様が喜んでくださっているのをみて、心からそう思えたほっとした瞬間でした。
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