2020-11-17
『ぼくを探しに』ファンタジックな世界観が楽しめるやさしい物語
『アメリ』好き、柄物好き、フランス好きにぜひ見ていただきたいのが、こちらの映画『ぼくを探しに』です。
『アメリ』のプロデューサーと、アカデミー長編アニメーション賞を受賞したシルヴァン・ショメ監督の作品で、全編を通してファンタジックな世界観が楽しめます。

幼い頃に両親を亡くし、深い心の傷を負った主人公のポール。言葉を失い、友人もいない孤独な彼は叔母に言われるままにピアノを続けています。
そんな彼の前にある日現れたのが、同じアパルトマンに住むマダム・プルースト。

彼女の部屋がとにかく魅力的!アメリを思い起こさせる赤い壁紙、こちらはウィリアム・モリスの”indian”というシリーズの壁紙かと思います。モリスはインド文化やプリントの手法に強く影響を受けていて、こちらのデザインにもそんな背景が見て取れます。そういえばマダム・プルーストもインド文化を愛す女性でした。

太い茎がS字状にうねり、大輪のお花と共に力強さを感じる柄です。柄にはモリスの壁紙でよく見かけるドット(版に釘をいっぱい指して、模様に点をいれる)の技法も使われていて、オリエンタルな雰囲気たっぷりです。

家主に内緒で畑まで作っちゃってる彼女のお部屋には、生き生きとした緑にあふれています。日本の整理整頓とは対局の、マキシマリズムインテリアです。
美術的にすばらしくインテリアに興味がある人はぜひ観てもらいたい映画ですが、切なくてやさしさに溢れたストーリーや個性的な俳優陣も特筆すべき映画でした。
参考にしたサイト:映画.com
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